家づくりのガイドブックA GUIDEBOOK OF IEZUKURI

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いい玄関をつくるためのポイントまとめ

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家族みんなが毎日通る場所である玄関。来客のときにいちばん最初に見られる場所でもある玄関。家の顔にもなる場所なので、ぜひキレイにオシャレにカッコよくしたいと、誰もがそう思うはずです。 

こんばんは。家の設計をしております、建築士の「いえもん」です。 

せっかくインテリアにこだわったデザインの玄関でも、使い勝手が悪かったり、ライフスタイルにマッチしていないと日々のストレスがどんどん溜まっていきそうですよね。

そこで、玄関を計画する際に抑えておくべきポイントを総まとめしてみました。

「家の顔」として、デザイン的にも、機能的にも文句なしの玄関を実現したい方はぜひ参考にしてみてください。 

玄関の配置計画 

まず、玄関を敷地の中のどこに配置するかについて考える必要があります。

いきなりですが、ここで特に気をつけたいポイントがあります。

「駐車場との位置関係」と「防犯」の2点です。 

車から降りて玄関までが遠いと、荷物が多い時や雨の日が大変です。

両手が荷物でふさがっていて、しかも雨が降っている状況を思い浮かべてみてください。

また、特にお年寄りや体の不自由な方がいらっしゃる場合も非常に不便です。

車と玄関、近いほうがいいですよね。 

駐車場についてはインナーガレージにするという選択肢も、もしかしたら有効かもしれませんね。 

また、玄関ドアを開けっ放しにしているときに道路から中が丸見えになるような配置も避けたいですが、あまりに隠しすぎると侵入者が隠れながら鍵を破る機会を与えてしまう可能性もあるので、見通しのバランスは配慮が必要です。玄関を道路境界からどれだけ離して配置するか、どっち向きにするか、塀や門扉・植栽でどれぐらい視線を遮るかを十分に検討する必要があります。

周囲の人通りの多さなども思い出しながら、遮り具合、開き具合を調整していくとよいでしょう。 

必要に応じて門から玄関の間に「引き」があれば、楽しい演出ができそうですね。

あえてアプローチ動線を少しクランクさせて、歩きながら植栽を楽しめる演出もできたり、まるで料亭の入り口を歩いているみたいですね。アプローチ幅は1.2mあればストレスなく歩けます。傘を差しながらでも歩くことができます。 

そして、玄関はなるべく家の真ん中にある方が、玄関から各部屋に向かう廊下を短くすることができます。より多くの面積を居住スペースに割り当てることができるので望ましいです。

玄関を住宅の中央に位置させて、1階の各部屋へのアクセス動線を短縮化しましょう。

同様に、2階に行くための階段も極力玄関に近い位置にできれば面積効率もよく、日常生活における移動距離も短縮できて利便性が向上します。ただし、玄関入ってすぐ正面に階段登り口があると、見上げの視線的に女性の方にとっては気になると思うので、配置や向きについては配慮が必要です。 

玄関の大きさ

標準的には、玄関部分1畳、玄関ホール部分1畳、収納1畳というサイズ感が一つの標準的な目安になってくると思います。ただし、家全体の大きさとのバランスによっても適正なサイズは変わってくると思いますし、玄関に収納するものが多いと、上記の目安よりも大きいほうが良いケースもあります。レジャー用品やスポーツ用品の収納が多い場合は、必要に応じて上記よりも大きな収納スペースとしてエントランスクロークを設けたりする必要があるかもしれません。 

家がとても大きいのに、玄関がとても小さい。。。

とか、

収納スペースが足りずに玄関廻りがモノであふれている。。。 

みたいな状態は避けたいですね。

なお、使い勝手としては同じ広い玄関でも奥行きが大きいよりも、幅が大きい(上がり框が長くなる形)ほうが、複数人での靴の脱ぎ履きを考えると望ましいです。

また、ホール部分が3~4畳程度確保できれば椅子を2つ3つ置くことで、ちょっとした来客スペースとして利用することもできますね。 

玄関の収納に関しては下記の記事においても詳しくまとめていますのでぜひ参考にしてください。

www.my-home-dream.com

 

ホワイエという考え方

 聞きなれない言葉かもしれませんが、「ホワイエ(Foyer)」とは、フランス語で「たまり場、団らん室」という意味です。

劇場やホールなどで入り口やロビー付近で休憩や歓談に使われる広い空間のことを指すので、公共建築物で使われる用語だったのが、最近では住宅にも取り入れらるようになりました。

先ほど来客スペースについて少し触れましたが、玄関からリビングに至る廊下空間を少し広くして、家族や友人とのコミュニケーションの場所として利用できるようにしたり、ちょっとしたソファと本棚を置いて一人で書斎的な使い方もできるような仕掛けを設けたり、住宅におけるあらゆる魅力的なホワイエのあり方が考えられると思います。

玄関に必要な収納 

玄関に今現在何をどれだけ置いているか、そして将来的に何を置きたいかを具体的に考えながらリストアップすることをお勧めします。ゴルフバッグ、スノーボード、ベビーカー、三輪車、子供の遊び道具、スポーツ用具、、園芸用品、ペット用品、清掃用具、など趣味や家族構成、ライフスタイルによって保管するものが多様でサイズの大きなものも多いので、万が一置けないという事態が生じるとかなり不便です。その他にも、鍵や印鑑など、ちょっとした小物を入れておくスペースが必要かどうかも合わせて考えておきたいですね。来客時のスリッパが収納できる場所もあると便利ですね。

あと、忘れがちなのが、傘立てをどこに置くかや、来客時のコート掛けや荷物をどこに置くかなども要確認です。

靴を収納する下足箱についても、靴の総ボリュームを確認したうえでのサイズ決定が必要です。下足箱のサイズを考える際は、玄関の広さ感覚に与える影響についても合わせて考慮しておきたいです。プラン上あまり玄関を広くできない場合は、下足箱を浮かせたり、下足箱上面の高さを目線より低くすることで、床面を大きく見せたり圧迫感を低減させることができ、少しでも空間を広く見せたいときに効果的です。収納量とバランスを見ながら判断しましょう。 

玄関の床は何色がいい?

玄関床面のタイル色を何色にするか考える際に、汚れやすさについては考慮しておきたいです。白、黒は砂汚れが目立ちやすいです。特に玄関は靴が砂汚れを引っ張ってくるので、床色を白や黒にする場合は、日々のこまめな掃除が前提となってきます。ちなみに白色のタイルは、素材によっては安っぽく見えやすいことも多いので、大きめのサンプルでしっかりとテクスチャの確認をするようにしてください。

日々のこまめな掃除に自信がない、子供が毎日部活で汚れた靴で帰ってくるなどで、汚れがあまり目立たない色にしたいということであれば、グレー系やアースカラー系が無難です。 

採光

図面で見ているだけでは意外と見落としがちになるのが採光です。特に玄関や廊下は暗くなってしまうことが多いです。気の利いた位置に一つでも窓があるだけで印象はだいぶ変わると思います。プラン上どうしても窓が取れない場合は、あくまで通過動線部分なので諦める・こだわらない・照明に頼るというのも一つの選択肢ですが、出来上がってから思っていたよりも暗くてがっかりという事態を避けるためにもしっかり考えておきたいですね。

玄関廻りにどうしても窓を確保できる壁が無いという場合は、窓付きの玄関扉を採用するというのも一つの選択肢ですね。細いスリットガラス窓が入った玄関ドア、ガラスの袖壁がついた玄関ドアなど、様々な種類があります。 

コンセント

クリスマスツリーなどの季節の飾りや、スタンド照明を置くなどを考えているのであれば、目立たず、使いやすい位置でコンセントをどこにつけておくかを押さえておきたいですね。 

鬼門

家相や風水については人によってどこまで気にするかがかなり変わってきます。

家相においては一般的に、鬼門あるいは裏鬼門に玄関と水廻りはNGと言われます。

家の中心からそれぞれ、鬼門は北東、裏鬼門は南西の方角を表しており、邪気入ってくる方向として位置づけられています。古くから不吉な方角として扱われてきましたが、古代中国の人々の生活の知恵的な側面でもあると考えられています。当時換気や衛生設備が不十分であったため、日の当たらない場所の水廻りは望ましくない、とか、強風が入ってきやすい方角だ、とか、その方角から敵が攻めてくることが多い、など。

それらは必ずしも現代の生活にあてはまるものではないと思われます。実際、最近では多くの人がそこまで気にしていないと思います。念のため家相を気にするかどうかはいつも確認していますが、「使い勝手優先でお願いします」と言われることの方が圧倒的に多いと言えます。

なので、あくまで迷信的なものなので気にしませんと割り切れるのであればそれはそれで問題ないと思います。しかし、身の回りのご親族の方の中でもしかしたら気にする方がいるかもしれません。もしかすると資金を提供してくれるご両親が家相を気にするかもしれません。そのような場合は、事前にしっかり意見を聞いておいた方がいいかもしれませんね。 

まとめ

以上、いい玄関を作りたいときに見落としてはならないポイントを総まとめてみました。

配置、大きさ、収納量など、家の入口の小さな空間の割には検討すべき内容が非常に多いので、ご自身のライフスタイルを振り返りながら、ひとつひとつ丁寧に確認しながら計画を進めていきたいですね。

後悔の無い、素敵な「家の顔」となる玄関にしていきましょう。 

また、玄関に入るまでの「アプローチ」部分も、「家の顔」を演出するには重要です。「アプローチ」に関しては下記の記事を参考にしてください。

 

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