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照明計画のポイントまとめ(その2)―玄関・廊下・階段編

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こんばんは。家を設計しております、建築士の「いえもん」です。

照明計画シリーズ第二弾の今回は、主に通過動線となる部分の玄関・廊下・階段について押さえておくべきポイントをまとめていきたいと思います。非居室じゃないからとか、通過動線に過ぎないからと油断してはいけません。特に玄関なんかは来客者がいちばん最初に立ち入る空間です。照明計画がうまくいっているかどうかによって空間の質は大きく変わってくるので、ぜひご一読ください。

玄関の照明計画におけるポイント

玄関は家の中に足を踏み入れた時に一番最初に体感する室内空間であり、来る者を温かく迎え入れる印象を与えるためにも、電球色を中心とした温かみのある色温度の照明で演出するのが基本となります。

迎える人と来客者が向かい合ったときに、お互いの顔が影になって暗く見えないように、上がり框上部にダウンライトを設けるのがスマートです。

スイッチは人感センサーにしておけば、荷物が多くて手がふさがっているときなどにも便利ですね。

また、玄関に姿見を設けてお出かけ前に鏡で身だしなみをチェックする方も多いと思いますが、その場合は鏡が見やすいように、鏡前にも一灯つけておくのを忘れないでください。

シューズボックスや上り框の部分で間接照明を設けることによってホテルライクな演出を試みることができます。下駄箱の下部に間接照明を仕込んでおけば、空間的な演出ができるというだけでなく、普段隠して置いているサンダルなんかも取り出しやすくなりますね。ただしこのとき床面の仕上げに、例えば磨き仕上げの石のようなツヤのある材質を使っていると、見えないように仕込んでいる間接照明本体が映り込んでしまうというような失敗もよくあるので気をつけましょう。

玄関を入った時に何らかのアイストップがあれば演出として効果的です。例えば、絵画やオブジェなどのアート作品をユニバーサルダウンライトで照らしたり、タイルや石を張ったアクセントウォールをウォールウォッシャーで照らしてみたり。玄関空間にアクセントを与えることができると同時に、壁面を明るく照らすことによって明るさを確保することもできますね。明るさにより広さ感覚も生み出すことができます。

ニッチに花やアートなどの小物類を置くのも面白いです。ニッチの奥に間接照明を設けて、背景を明るく照らすことによって、展示物のシルエットがはっきり見える効果を狙うことができます。あるいはニッチ上部にダウンライトを設けると、展示物がショーウィンドーの商品であるかのように美しく照らされて見えます。

その他にも、玄関床面を狭角のスポットで照らしてあげるのも印象的で高級感のある演出がしやすいです。

廊下の照明計画におけるポイント

基本的に廊下は長時間滞在することは無く、あくまで通過動線となる部分なので、夜中に歩くときに不便にならない程度の明るさが確保できれば問題ありません。ダウンライトを必要最小限の個数で違和感の無い位置に割り付けていくスタンスで良さそうです。奥まった壁面やコーナー部分、各部屋入口のドアなど、要所要所に絞って鉛直面を照らしていくことは、少ない灯数で明るさを確保するための効果的な手法と言えます。また、廊下は通過動線に必要な必要最小限の幅で計画されることが多いので、移動の妨げになるようなブラケット照明は極力避けた方が良さそうです。どうしても演出上、ブラケット照明を設置したい場合はなるべくコンパクトなデザインを選定するようにしたいですね。

ダウンライトのほかにもフットライトで足元の明るさを確保する方法もあります。光が足元に集中するので、顔がわかりにくいというのが欠点ですが、演出性の高い方法と言えます。また、常夜灯をフットライトとして設置しておけば、夜中の歩行も安心になります。夜中の歩行という観点では、人感センサー式にしておくのも安全で便利ですね。

最近ではLED照明は小型化もかなり進んでいるので、手すりに間接照明を仕込むこともできます。暗くても手すりの位置がわかりやすく、高齢者の方にとっては安心感があるかもしれません。

階段の照明計画におけるポイント

住宅の中で唯一、上下方向の動きがある階段は、つまづきや転落事故の危険性が伴う場所なので、適切な照明計画が問われる場所であると言えます。 

まず、ダウンライトを天井面に設ける場合、位置によっては照明に手が届かず、高さ的にメンテナンスが困難になることもあるので、十分注意が必要です。吹き抜け部分に設ける照明と同様に、メンテナンス可能な低いレベルに設置して天井を照らすような計画をなるべく選択しましょう。

ダウンライトのほか、フットライトで足元を照らしたり、踊り場部分にブラケットライトを付けたりという方法もよく行われています。ブラケット照明は取り付け位置が低すぎると、歩行時に頭をぶつける可能性もあるので、注意してください。

階段の蹴込み板や踏み段裏側に照明を仕込むような照射方法もあります。段を見えやすくしながら、階段を意匠的に演出することができます。 

また、階段の照明は、1階の上り始めと2階の上がり切り部分の両側からスイッチのON/OFFができるように3路スイッチを設置することを基本としましょう。 

その他、階段吹き抜け部分に上部からペンダント照明をぶら下げる演出をすることがよくあると思いますが、地震時の揺れは大きくなりやすいので十分気を付けましょう。

まとめ

以上、玄関・廊下・階段における照明計画で気を付けるべきポイント等をまとめました。通過動線であるので、家の中で脇役の部分だと見捨てることなく、きちんと丁寧に検討しましょう。通過動線なので、移動のしやすさという機能性を満足しながら、来客時に気持ちよく迎え入れることができるような演出性を兼ねそろえた空間の創出を意識するようにしてくださいね。

照明計画シリーズは下記の記事も合わせてご参照ください。

 

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