家づくりのガイドブックA GUIDEBOOK OF IEZUKURI

いい家づくりに必要な知識やノウハウが詰まったガイドブック的なブログを目指します。

玄関までのアプローチ部分で考えておきたいこと

f:id:Frappuccino:20190606122349j:plain

玄関前のアプローチ部分は家の顔として重要なところですね。

こんばんは。家の設計をしております、建築史の「いえもん」です。

敷地の入口から家の玄関に向かうまでの通路部分をアプローチと呼びますが、この部分を計画する際に考えておきたいことをまとめていきたいと思います。機能とデザインの両方に関わるのはもちろんのこと、毎日の外出・帰宅時の通りやすさにも影響してきますので、ぜひ注意しておきたい部分ですね。

アプローチ形状と玄関の配置

まず通路形状と玄関との位置関係について、最もシンプルでわかりやすいのは直線型の通路ですね。敷地が狭小で、建物前面に十分な外構スペースが確保できないときには省スペースを優先して直線アプローチになることも多いと思います。

この場合に特に気になるのは玄関扉を開けたときに、道路側からの視線で家の中が丸見えになってしまうという点です。また、直線な通路ではアプローチ空間が単調になりやすく、意匠的な演出も限られてくるという点も惜しいところです。

少しでも通路をクランクさせることができれば、道路からの視線を遮りつつ、アイストップの植栽を設けたり、奥行き感を演出したりしやすくなります。

ただし、あまり入り組んだアプローチ形状にしてしまうと道路側からの視認性が悪くなることで、泥棒にとっては隠れ場所になってしまうことになるので、防犯的に望ましくありません。なるべく死角が生じないアプローチづくりを心掛けたいところです。

アプローチの幅 

次にアプローチの通路幅について。人一人が歩くときに必要となる通路幅としては750mm程度あれば事足りますが、傘をさして歩くときや親子で並んで手をつないで歩くときなどを想定して約1200mm程度のアプローチ幅があった方がストレスなく歩けます。

なお、自転車を押しながら歩くときの必要幅は約1100mm程度、車いすの通行時に必要な幅1000mm程度、カバンや荷物をもって歩くときに必要な通路幅は約900mm程度なので、これらを考慮しても、1200mmの幅があれば適度のゆとりがあって使い勝手としては十分です。

雨の日の歩行時の安全性に配慮して、地面の仕上げ材は滑りにくい材料にしておくべきです。つるっとした仕上げの石材等は滑りやすいので避けることが望ましいです。表面に凹凸やざらつきのある材料が良いですね。

高低差がある場合 

また、敷地内外で高低差がある場合は、アプローチのどこかで階段を設ける必要が出てきます。外構で設ける階段は靴を履いて通ることが前提になるので、室内の階段とは区別して少し寸法に余裕を持たせて計画することが望ましいです。

踏み面は300mm以上、蹴上は150~180mm程度が一つの目安になってきます。高齢者の方が利用する場合は、必要に応じてもう少し緩やかにしたり、手すりを設けたりなども検討が必要ですね。また、階段の始まりと終わりが認識しやすいように階段部分の床面の仕上げ材の色を切り替えるなどの配慮も効果的です。

庇 

玄関扉にたどりつくポーチ部分は屋根の軒先や庇が上部にあれば雨の日でも安心ですね。上部がバルコニーになっていたり、2階の部屋が張り出したようなオーバーハングになっていてもいいですね。

一方で、庇の奥行きがあまりにも深すぎると、日差しを大きく遮ってしまうことになります。玄関部分が薄暗い印象になる恐れもあるので、バランスが大事ですね。90cm程度以上の奥行きがあれば、庇としての機能は十分に確保することができるでしょう。

まとめ 

玄関前のアプローチ部分は家の印象を大きく左右する「顔」となる部分なので、デザインにしっかりこだわりたいところです。しかし、一方で毎日通る部分なので、使い勝手や機能性にも配慮したい、さらには防犯性についても考えながら計画していきたいですね。