家づくりのガイドブックA GUIDEBOOK OF IEZUKURI

いい家づくりに必要な知識やノウハウが詰まったガイドブック的なブログを目指します。

階段の形と種類―それぞれの特徴と注意点をまとめます

f:id:Frappuccino:20190606085727j:plain

こんばんは。家の設計をしております、建築士の「いえもん」です。

平屋建ての住宅であればともかく、2階建て以上になると当然のことながら階段が必要になってきます。なので、ほとんどの家にとって階段の設置は避けて通れないことが多いと思いますが、階段は家の中では転落事故の発生場所となることが多いので、住まいにおける「危険施設」などと呼ばれることもあります。

そんな階段ですが、間取りに応じて様々な形式があり、それぞれ特徴が異なってきます。ご自身のご家庭に適した階段形状はどのような形なのか、それぞれの特徴を把握した上で、設計者にお任せにするのではなくしっかり要望として伝えたほうが、より使いやすく安全な階段の実現につながります。

そこで、今回は階段の種類ごとの特徴を以下にまとめていきたいと思います。

どのような階段が上り下りしやすいかをイメージする上で参考にしていただければうれしいです。 

直階段

直線状に上り下りする階段で、「鉄砲階段」とも呼ばれます。最もシンプルな階段形状で、階段の設置面積を最小にできるので、間取りにおけるスペースの有効活用がしやすいです。シンプルな形であるがゆえにコストも抑えやすい、直線であるがゆえに見通しが利くなどのメリットもあります。

一方でデメリットとしては、脚を踏み外したり、バランスを崩して転んだ際に途中で止まらずにいちばん下まで転落してしまう可能性があるため、高齢者の方や、足の不自由な方がいる場合は要注意です。また、健常者の方であっても上り下りの際に恐怖感を感じる方もいらっしゃることがあるので、住宅展示場などで実際に上り下りしてみてどのように感じるかを確認しておいた方がいいです。スペースが許すのであれば中間で踊り場を設けるなどの対応を検討するのも有効かもしれません。 

上曲がり階段、下曲がり階段

直線階段の変形版で、上廻り階段・下廻り階段とも呼ばれます。上り始め、あるいは降り始めの部分が直角に曲がる形になっており、様々な間取りに対応させやすいです。上曲がり階段よりは下曲がり階段の方が一般的には安全と言われています。「曲がる」という変則的な形状部分が転倒の原因になりやすく、このような場所が上にあるよりかは下にあった方が転倒・転落の危険性が少しでも低下する、という思想ですね。 

かね折れ階段(かね折り階段)

途中でL字に折れている形状でコーナー部分が踊り場になっています。この踊り場があることによって、直階段に比べて上り下りが楽になる、安全性は増す(転倒時に下まで転げ落ちる可能性が抑えられる)、恐怖感も抑制される、等のメリットが出てきます。踊り場の部分はフラットが望ましいですが、間取り上2分割とか3分割とかになるパターンもあります。一方で、踊り場があったり、途中で折れることにより、直階段よりはスペースが必要になってきたり、費用が増えてきたりというデメリットがあります。 

折り返し階段

U字階段、いってこい階段、等と呼ばれたりもします。階高の半分ぐらいのところで踊り場を介して折り返す形になります。かね折れ階段よりもさらに安全性が高いと言えます。安全性だけを考えるともちろん踊り場部分はフラットが望ましいですが、U字型の形状であることから一番下まで転げ落ちる可能性はかなり下がってきます。踊り場部分も分割して段を設けることで省スペース化を図ることもできるので、安全性と省スペースのバランスをとりながら、段数を調整するのが良さそうです。踊り場部分の段数によって必要なスペースは変わってきそうですね。 

らせん階段

途中に踊り場がなく、ぐるぐる回りながら上り下りする形式です。省スペースで意匠性に富む点がメリットですが、家具などの大きなものの搬出入が困難な点がデメリットと言えます。先ほどの折り返し階段についても、家具の搬出入については要注意ですね。 

まとめ

基本的には以上の4種類の階段がベースになってくると思います。それぞれの特徴を押さえた上で、実際の上り心地を展示場などで意識しながら体感するのも重要です。また、階段の種類だけではなく、幅・蹴上・踏面・段数・勾配などのパラメーターも上り下りのしやすさに大きく影響してきます。それらについても合わせて確認しながら、より使いやすい階段を選択することができればと思います。